No.5_【ヒト試験】Rg3強化紅参OKBT(Rg3KRG)の血圧降下メカニズム
北里大学 客員教授 山口芳正
高麗人参(Panax Ginseng C.A. Meyer)に含まれている有効成分の1つであるジンセノサイドRg3は、血管機能の強力な調節因子であると考えられています。
また、前回、Rg3強化紅参OKBT(Rg3KRG)が、自然発症高血圧ラット血圧を低下させる作用をもっていることを紹介しました。
そこで今回は、健康な被験者にRg3KRGを含む被験食を摂取させ、動脈硬化や血圧に対する効果を調べた論文について紹介します。
【Rg3強化紅参Rg3KRGの血圧に対する効果】
①試験の概要:この試験では、400 mgのジンセノシドRg3KRGまたはプラセボとして400 mgの小麦を被験食として使用しました。
医師にも被験者にもどちらを投与しているのかが知らされないランダム化二重盲検試験とし、7日間のウォッシュアウト期間後に、1回目とは異なる被験食を与えるクロスオーバーデザインとしました。
24人の参加のうち23人が試験を終了しました。
被験者(男性9人、女性14人、年齢25歳±2歳)の平均データは、体格指数22±0.6 kg / m2;収縮期血圧113± 3 mmHg、拡張期血圧70±2 mmHgでした。
②測定方法:血管の硬直度を示す大動脈増大指数と中心血圧は、SphygmoCor Vxパルス波形解析システム(AtCor Medical、Sydney、Australia)を用いて、体表に近い橈骨動脈に圧力センサを押し当てて、1拍ごとの血圧を検出する方法である圧平トノメトリーを介して、3回測定しました。
抹消血圧は、1分間隔で3回、血圧測定計を用いて上腕で測定しました。
測定はベースライン時および被験食摂取後1、2および3時間で行いました。
③Rg3KRGの血圧に対する効果:摂取わずか「3時間後」の驚くべき明確な変化
1) 血管のしなやかさ(硬直度)の改善
大動脈増大指数(血管の硬さ): プラセボ群と比較して4.3 ± 8.9 % 低下
2) 心臓に近い根本の血圧(中心血圧)の低下
収縮期血圧(最高血圧): 5.0 ± 7.9 mmHg 低下
拡張期血圧(最低血圧): 3.9 ± 6.6 mmHg 低下
平均血圧: 4.8 ± 6.8 mmHg 低下
3)普段測る腕の血圧(末梢血圧)の低下
収縮期血圧(最高血圧): 4.4 ± 10.0 mmHg 低下
拡張期血圧(最低血圧): 3.6 ± 6.4 mmHg 低下
平均血圧: 4.4 ± 6.6 mmHg 低下
【まとめ】
この研究では、Rg3KRGが健康な被験者の中心および末梢血圧を速やかに低下させる作用があることが実証されました。
特筆すべきは、血管の硬直度を示す「大動脈増大指数」も同時に低下している点です。
このことから、本成分は「一時的に血圧を抑え込む」のではなく、「血管そのものを柔らかくして拡張しやすくする」という根本的なアプローチによって血圧を降下させていると考えられます。
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紹介論文 Journal of the American Society of Hypertension 2014, ,8 537-541
Rg3を豊富に含む高麗人参(Panax ginseng)が健康な被験者の動脈硬化と血圧に及ぼす影響:無作為化比較試験
Elena Jovanovski et al.
